工学の歴史・現在・未来を俯瞰する
オムニバス講義
対象:教養学部1,2年生(文理共通)、大学院生
時限:2025年度Aセメスター 火曜3限
教室:東京大学駒場Iキャンパス ※詳細はUTOLに掲載

現代社会に生きる我々はAI、半導体等の先端科学技術に日々接しながら過ごしており、先端科学技術はもはや社会そして人間をも大きく規定している。この事実はエンジニアだけではなく社会全体で共有し,人類に共通する課題ともなっている。これまでも科学技術にまつわる意思決定にはエンジニアのみならず様々な社会的立場の者が関与してきた。いまや文系理系に拘らず、「リベラルアーツとしての工学」が現代人に必須と教養として求められている。
本講義では、人間・社会との関係性のなかで総合的に科学技術の概念を文理を問わず,受講生が学ぶことを目的とする。従来の科学史講義とは異なり、工学の主要領域にて先端研究に携わる研究者がオムニバス式に講義を担当する.そして専門領域の過去、現在、未来を踏まえつつ、人間や社会との関係性を考えるうえで焦点をなす研究や事例に着目し、数式を基本的に使わずに説明する。
受講生が社会を構成している先端科学技術の起点及びその展開に接することで、未来を拓くための基盤となる知見を得るとともに、俯瞰的な視点を涵養する機会となるよう期待している。

10月7日 オリエンテーション
小林康夫 名誉教授 戸矢理衣奈 准教授
講義概要・オリエンテーション
10月14日 人間史としての工学 :「歴史」
今井公太郎 教授
工学の地図は描けるか ? − イノベーションの波が描く工学の全体像
10月14日 人間史としての工学 :「歴史」
戸矢理衣奈 准教授
大学にみる工学の歴史
10月21日 人間史としての工学 :「各論」
芳村圭
データ同化によってつなげる江戸時代の日記と同位体と気候変動
10月28日 人間史としての工学 :「各論」
石井和之 教授
新物質・人類・生命・地球の観点か ら化学を俯瞰する
11月4日 人間史としての工学 :「各論」
菅野裕介 准教授
情報工学は何をつくってきたのか − 大規模深層学習以降の工学のあり方について考える
11月11日 人間史としての工学 :「各論」
今井公太郎 教授
文化と工学のインテグレーションと しての建築 − 超高層と大空間
11月18日 人間史としての工学 :「各論」
吉川暢宏 教授
GXインフラを支える材料強度学
12月2日 人間史としての工学 :「各論」
宍戸常寿 教授
社会工学としての法学-情報法を例に
12月9日 人間史としての工学 :「各論」
松永行子 池内与志穂
からだの外でイカす細胞組織体:生命工学の未来
12月16日 人間史としての工学 :「各論」
川添善行 准教授 本間裕大 准教授
デザインと数学から見つめる都市 − 意匠と研究の最前線 −
12月23日 人間史としての工学 :「各論」
平本俊郎 教授
半導体のお話 − 最先端物理の身近な応用例
1月6日 人間史としての工学 :「各論」
志村努
最先端物理の工学応用 :量子力学が無ければ、スマホも自動車も湯沸かし器も動かない
1月13日 人間史としての工学 :「各論」
枝川圭一 教授
暮らしを支える材料工学 – 物質の機能発現とその利用
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